雑誌「Soil mag.(ソイルマグ)」Vol.2
特集テーマ“小さな自給”のカタログ
千葉県南房総へ、君島悠矢さん、阿久里さんが営むオーガニックなドライフルーツやスパイスを提供する「AMBESSA & CO」を訪ねました。
店先にずらりと並ぶ世界中から集められたドライフルーツ。そこには僕が子供の頃から苦手だった干し葡萄も。悠矢さんのこれはきっと大丈夫ですよの言葉に背中を押され恐る恐る手を伸ばす。いける。そして美味い。この歳にして長年の好き嫌い克服である。聞けば一般的な干し葡萄はオイルコーティングされているものが多く、それが酸化した味や香りが苦手だったのでは、とのこと。一方ここに並ぶドライフルーツは添加物なし。ふたりが実践するオーガニックな野菜作りや自給自足的な暮らしを目の当たりにすると、誰かによって用意された作物やサービスを当たり前に享受するばかりの自分にとってはただ感心し深く頷くしかなかったわけだけど、そんな彼らの活動のきっかけとなったものがチュニジアで食べたデーツの美味しさだったという話を聞いてグッときた。お土産にいただいた袋いっぱいのドライフルーツを食べ尽くす前に、僕もなにか小さなことからはじめたい。